LIFE LOG(退職代行で会社を辞めた或る人間の記録)

退職代行で会社を辞めた或る人間の記録

退職代行使って元気に生きるぜ!ぼくの体験談!

最近なぜか、選挙がマイブームになりつつある。

最近、選挙がなぜかマイ・ミニブームです。

別に立候補しようとか、

政治運動に参加しようとか、

政治的思想信条を強く持っているとか、

そんなことは全然ない自分ですが、

なんか知らぬ間に、興味を持ってしまっています。

 

特に最近読んだこの本は、

結構、自分の中では衝撃的でした。

というか、心に残りました。

 

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い (集英社文庫)

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い (集英社文庫)

 

 

この本はもともと、

おかん旅での長いフライトに際し、

暇つぶしに読もうと、

数冊適当に買ったうちの一冊だったんですが、

今のメディアに欠けている点を

すごく明確に

すごく実直に伝えていて、

同じメディアで働くものとして、

胸熱&反省しながら私は読みふけってしまいました。

 

本の内容ですが、その前に、

マック赤坂という政治家をご存知でしょうか?

 

映画「立候補」

映画「立候補」

  • メディア: Prime Video
 

 

東京都知事選や大阪市長選に立て続けに立候補し、

落選し続けた、いわゆる泡沫候補だった人物です。

 

その政見放送をググれば、

スーパーマン

マハトマ・ガンジーになりすましたマック氏が、

スマイルセラピーなる独自の心理療法を掲げ、

市民に熱く訴えかける姿を現在も視聴することができます。

 

そして贔屓目に見ても、

そのような政権演説を、

マック赤坂氏のことをよく知らない人間が

初見で理解し、投票へと行動を移すには、

正直、ぶっ飛んでおり、

私も、東京でこの方の演説を目にした時、

正直、ぶっ飛んでしまいました。

 

コスプレをして、

ロールスロイスから上半身を出し、

スマイルポーズを決めるマック氏の姿に、

政治を託すことは出来ないと瞬時に思ったと思います。

 

だけど、

この本の作者はそんな私とは違い、

マック赤坂氏を中心に、

(一括りにするのは恐縮ですが、)

これまでマスコミが泡沫候補として、

テレビ画面や新聞紙面に

ほぼ全く登場させなかった人物に、

何年も取材の時間を割いて、

一般市民が知ることのなかった(≒知ることができなかった)

彼らの思想信条、そして生き様をまとめ上げたわけです。

 

なんで、

主要候補ではなく、

誰も注目しなかった泡沫候補なのかー

 

そこには、

作者の選挙取材に対する至極真っ当な考えが反映されています。

即ち、

マスコミが報道しないと、

一般市民は彼らのことを知ることができない。

それは、立候補していないことと同意に等しく、

つまり、一般市民の投票の選択権を剥奪しているに等しい。

だいたい、そういう趣旨のもと、

書かれた本なのだと思っています。

 

私は本来、マスコミというのは、

大多数の意見だけでなく、

少数派の意見も取り上げることで、

読者や視聴者に問題提起を投げかけるものだと思いますし、

同時に、権力に対しては監視の役割があると思います。

 

しかし、

現状の選挙報道は当選しそうな人物にのみ焦点を当て、

結果、その人たちにのみ取材というスポットライトが当たることで、

本当に主要候補以外は当選することの出来ない状況を

作り出してしまっているのかもしれません。

 

例えば、

ご存知でしたでしょうか?

 

マック赤坂氏が、

命のビザで有名な杉原千畝と同じ愛知県立瑞陵高校を卒業後、

京都大学に入学し、伊藤忠商事に入社し、

レアアース事業に目を付けて独立し、

最初はコスプレによる選挙は控えていたが、

パフォーマンスをしないと、

マスコミはおろか誰も注目しないからこそ、

ある種戦略的に、踊りやコスプレを演説に取り入れたことを。。

 

知っていた人は少数派だと思います。

そして経歴も含め、立候補者の人物像を知らないと

だれも投票することができません。

 

ただ、マスコミはそれをやってこなかった。

どころか、

その経歴や生き方が政治家にふさわしいか、

そのパフォーマンスが政治家にふさわしいか、

本来、有権者が判断すべきことを、

勝手にふるいにかけて判断したのではないか。

色んなリスクを負ってまで出馬し、

実現したいことがある立候補者を、

主要と泡沫に結果的に分断し、

主要の意見しかほぼ伝えないのでは、

あまりに選択肢が狭まるのではないか。

そんな情熱的な思いを、

著者は、静かに優しく教えてくれます。

 

一方、この本は、

泡沫候補の生き様だけでなく、

著者の生き様を映し出したものでもあります。

 

これまで書いて来た通り、

既存のマスコミは

主要候補の取材にばかり時間を掛けるので、

泡沫候補の取材に時間を多く割くことは許されない。

 

なので、この本の著者は、

フリーランスで一人で、

20年以上もの間、

ずっと取材をコツコツと続けてきたというのです。

 

私は選挙マニアではありませんが、

丁寧な取材で真摯に書かれたこの本は、

マジでオススメです。

開高健ノンフィクション賞受賞作だそうです。

 

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い (集英社文庫)

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い (集英社文庫)

 

 

そして私は、

マック赤坂氏の支持者でも信者でも何でもありませんが、

この映画もオススメです。

 

 

映画「立候補」

映画「立候補」

  • メディア: Prime Video
 

 

この映画と本の作者は別人ですが、

両方とも、

日本の選挙をマスコミとは違った角度で映した

貴重なドキュメンタリー作品です。

 

ふざけた要素はないですが、

めちゃくちゃ面白くて、物の見方が広がります。

 

ちなみに、

マック赤坂氏の選挙は実は、

マック氏の家族にも歓迎されているわけではないようで、

映画には息子が登場します。

 

息子はマック氏の選挙活動を応援したこともないようです。

だけど…

やめときます…この先は映画でご覧ください!

最高にドキュメンタリチックな展開が待っています!

 

それと、この映画も合わせてオススメです。

 

選挙 [DVD]

選挙 [DVD]

 

 

選挙2 [DVD]

選挙2 [DVD]

 

 

観察映画で知られる想田和弘監督の映画です。

個人的には1の方が、好きです。

(2は監督の主観が強かった様な記憶が残っています)

 

あと映画ではないですが、

NHKから国民を守る党、通称N国のYouTubeもよく見ます。

(これはN国が有名になる前、

 だいたい5年前くらいから

 立花孝志ひとり放送局というチャンネルを

 たまーに見ていました)

 

政治ドキュメンタリーとして見ても

日本の政治のケーススタディとして見ても

非常に勉強になるし、面白いのがN国党のYouTubeだと思っています。

ただし、ヘイト感情が強い動画もあるので、

個人的に支持するか否かは、また別の話です。

あくまで、社会現象として面白いのです。

 

最近、与党の力がなくなってきて、

戦国時代感がすこしだけ出てきた気がするので、

これまでだと泡沫だった候補も

下克上を起こすかもしれません。

 

ちなみに、繰り返しですが、

本当に私は選挙マニアではありません!よろしく!

なんなら、褒められたことではありませんが、

業務多忙の時は、投票に行けなかったことも多々あります。

でも、選挙をウォッチングすることに

ドキュメンタリー的楽しさを見出してしまいました。

 

と、いうわけで、

ちょっと今日は、いつもと違うテーマですが、

仕事柄、本や映画・テレビ、ゲーム。

 

この辺のエンタメは大好物ですので、

これは良かった!と思うものや、

逆にいまいち!と思うものを、

単に批判するだけでなく、

理由を添えて、今後もお伝えしたいと思います。

 

では!