ついに、、、退職代行当日へ!③
で、いよいよ退職代行前日の話です。
その日も、私は朝2時ごろまで仕事をしていました。
そして私だけでなく、私の同僚も仕事をしていました。
やっぱり、ブラックですね。
普段なら、仕事が終わってそのまま帰路につくわけですが、
その日の私には、まだやらなければならないことがあります。
それは、デスクを整理して、跡形もなく消え去ること。
机の上も、引き出しも綺麗にして、
誰にも気付かれずに会社を立ち去らなければなりません。
なので、私のチームのメンバーが家に帰るのを見計らい、
午前3時ごろから最後の片付けをスタートすることにしました。
しかし、そこはブラック企業。
たとえ深夜の3時でも、まだ、私の他に数人の居残り組がいます。
幸いにも、居残り組は少しデスクが離れた位置にあったので、
私の手元までは把握することができません。
なので、できるだけ静かに引き出しの中のものを袋に詰め、
代わりに返却すべきパソコンなどを引き出しに閉じ込めました。
コソコソと作業をして、およそ1時間。午前4時ごろ。
ほぼ荷物を詰め終わった時に、私の直の後輩がデスクに戻ってきました。
同じチームなので、別の島とは言え、私のデスクにも近い位置にいます。
後輩「まだ、いらっしゃったんですか?」
私「(ギクッとしながら)……いや、ちょっとやる事あって。もう帰るよ。」
私は、多少挙動不審でしたが、
後輩も後輩でまだ仕事があったようで、その場を去っていきました。
深夜4時半。詰め込んだ私物、会社の紙袋に計4袋。結構な量です。
まだ社内には働いている人がいるため、
こんな大荷物で鉢合わせるのだけは避けたいです。
エレベーターは、直線的な動きかつ逃げ場がないので使えません。
私のデスクはビルの9階。
致し方なく、階段を駆けました。下にはタクシーを呼んであります。
無事1階に到着。最後の入館証かざしの儀も、感慨に浸る余裕など全くなく、
急ぎ足で、タクシー運ちゃんにアイコンタクト。
私の方にハンドルを切って、後部座席のドアが開かれました。
紙袋4袋を投げ込むように、自分の身ごとなだれ込むように乗車した私。
ここから、新たな生活が始まりました。