LIFE LOG(退職代行で会社を辞めた或る人間の記録)

退職代行で会社を辞めた或る人間の記録

退職代行使って元気に生きるぜ!ぼくの体験談!

ついに、、、退職代行当日へ!②

前回の続き。超ブラックな仕事環境で働いていた私に、

さらに拍車を掛けたのが、その名も「働き方改革」でした。

 

というのも、私の部署では、労働者の最低限の権利として与えられた

月4日の法定休日すらも休むことができずに、

空休日、つまり休んでいないのに休んだことにしている人が大勢いました。

これは、上司からのプレッシャーとそもそもの企業文化、

ある種宗教的な雰囲気が、寝ず・休まずで働くのが美徳という価値観を

我々に植え付けていたからです。

 

特に護送船団方式のメディア産業では、一般企業と比して中途採用の社員も少ない上、

1つの会社の1つの部署でしか働いたことのないスペシャリスト型の社員も多く、

比較の対象である他業種・他部署の仕事経験がなく、

まるで北朝鮮の人民のように、何かおかしいと違和感を感じていても、

現状が普通と思い込み、諦観してしまう集団心理が生まれます。

 

一方で、私の会社は表面上、「2次会禁止改革」だったり「休暇奨励制度」だったり、

はたまた、女性社員が癌を乗り越えて、

その後も働きやすい環境を用意できているなどの美談記事を、

他のマスコミに書かせてホワイト企業ぶりをアピールし、

実態の伴わない働き方改革を進めていました。

 

そんな中、特に私たちを苦しめたのが、過労死ラインの存在です。

まず、部署のトップである局長は、

法律的には1ヶ月の労働時間は100時間まで許されているにも関わらず、

80時間以上の申告は認めないとしました。

 

ちなみに、前回の記事で書いた通り、

4日徹夜なんてことがある私の労働環境では、

80時間以内に収めるなんて夢のまた夢であり、

まともに働いた時間を付ければ、

月初の10日だけで残業100時間越えてるやん!てなこともありました。

局長もそれを知っているのに、80時間以上の仕事は認めないとしました。

 

これを実行すべく部長は、

80時間を超える部員(ほぼ全員)を呼び集め、

80時間を超えないよう、労働時間を操作して有無を言わさず、減らしていきました。

例えば、

部長「これは24時間働いているけど?」

社員「徹夜でやらないと間に合いませんでした。」

部長「それじゃあ、労基法に反するから早朝5時から働いたことにしておく」

…などと言った感じです。

この部長こそが、労基法違反なのにも関わらず。

 

さらに、不規則な仕事であることは会社の了承の上だったので、

私の部署はフリーフレックスの労働形態で、

2時間働けば、8時間働いたとみなすものでしたが、

これを悪用しようと考えた直属の上司は、

2時間以内なら1日働いたことにはならず休みであるという、

全く根拠のない身勝手な解釈をして、

私の後輩に2時間だけ働いて、休みを申告しろと命令していました。

 

そして、実際にはその仕事が2時間ちょうどで終わるものばかりではなく、

後輩は結局、通常通りの時間を働いて、

その上司が「私のチームは法定休日を問題なく取得しました!」と

さらに上の上司に報告するためだけの、虚しい空休日作りを強要されていました。

 

こんな風に、直属の上司も隣のチームの上司も、上に報告するために虚偽の申請をし、

部長も局長のために虚偽の申請を部下に強要し、

局長も人事に報告するために、部下を締め付けるルールを作り、

人事も役員に「働き方改革は進んでます」と報告するために局長の行動に目をつぶり、

現場で働く真面目な労働者はどこにも逃げ場がないまま、

馬車馬の如く目的も見失って働いていたのが、私の会社の状況でした。

 

ちなみに、私は会社の働き方改革委員の1人だったので、

自分なりに勇気を持って人事部にこの惨状を話しましたが、

人事部長はただただ別世界のおとぎ話を聞くかの如く、笑っているだけでした。

 

私の会社は、現場系部署は超ブラックですが、

事務系管理系部署は定時で上がれる超ホワイトで給与体系も同じ。

彼ら彼女らにとっては、私の話は対岸の火事であったのだと思います。

 

しかし、メディア産業は、現場で、製品であるコンテンツが生み出され、

そのコンテンツの良し悪しで、事務系管理系の社員も飯を食っている。

つまり、決して対岸の火事などではないのです。

 

そして、日々寝不足で、労基法違反で、目的も見失う環境で、

良いもの、良い作品を作れるわけがないと私は思うようになりました。

 

だからこそ、退職を決意しました。

 

そして、本来なら正面切って、言いたいこと言って、

スパッと辞めていくのが人というもの、と思っていましたが、

上司も、その上司も、そのまた上司も、みんな上しか見てない会社では、

まともに辞めますなんて言っても、どう捻じ曲げられるかわからないし、

退職するまでの出社期間に不当な仕打ちを受けることも容易に想像できました。

 

だからこそ、恥を恐れずに私は最後の手段を使うことにしました。

それが、私の退職代行です。